欧州車情報69.com

欧州車(ベンツ/AMG・BMW・アウディ・フォルクスワーゲン・ポルシェ・フェラーリ・ランボルギーニ)の自動車情報をお届け。

欧州車情報69.com header image 4

Entries from 11月 2011

自賠責が赤字。その原因の一つは私かもしれない:編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 22nd, 2011 · No Comments

▲自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責が赤字ということで、今年(2011年)4月から保険料が引き上げられていることをご存じだろうか。自賠責がどう運営されているのか、なぜ赤字なのかが今ひとつはっきりしないが、いずれにしても事故での支払いが多いということに関しては間違いないようだ。私も昨年、この保険が大量に払われた事故に遭遇したので、報告しておきたい。ちょっと、なんだかな、と思う話だ。
▲まずその事故だが、四十絡みの女性が乗る自転車に、私のクルマがかすったというもの。事故状況だが、横断歩道で止まった私のクルマの前を横切った自転車の駐輪スタンドの後端に、少し動き出した私のクルマ前部がかすった(らしい)。女性は子供を自転車後部のチャイルドシートに乗せていた。クルマ側にはなんら衝撃は無く、そのまま通り過ぎるところだったが、自転車を止めて振り向いた女性がわめいているので、クルマを止めると、当たったと言う。むろん自転車は倒れてなどいないし、クルマを見ても当たった形跡がないので、そんなことはないというと、足が痛いと言い出した。当たり屋ではないかと疑ったくらいの強い語気に、それなら警察へ行こうと近所の交番へ。この時は特に痛がる様子もなかったのだが。
▲交番で事故処理班を呼んでもらい、現場検証したが、そこで私のクルマのバンパー下にごく小さな擦り跡があり、ここに接触したのだろうということに。そうなれば致し方ないので、こちらも下手に出ることにしたのだが、そうすると今度は後ろに乗っていた子供も体が痛いといっていると言いだした。さすがにこれは普通じゃないなと思ったが、警察とも話をして、一週間様子を見て人身事故にするかどうか決めるということでその日は別れた。翌日、お詫びとして菓子折を持って事故現場すぐの自宅に行くと、受け取らない。保険屋と話すから受け取れないという。今までいくつもの事故に対応してきたが、この時点でちょっとやっかいな人であると再確認した。
▲一週間過ぎたら警察から連絡があり、案の定、先方は人身事故扱いにしたいと言っているとのこと。うちの保険会社と相談したが、そうした人だったら保険を使った方がいいでしょうとのアドバイスもあり、その後の対応は保険会社に任せた。そして私には軽微な人身事故(ただし女性と子供の二人分)ということで行政処分点4点がつけられた。おかげで累積6点になってしまい、以前のコラムで書いたように講習出席の次第となったのである。ただし、いわゆる罰金はまったく来なかった。警察としてもごくごく軽微な事故という認識だったからだろう。
▲それからは保険会社からの報告書を読んでいただけなのだが、後ろに乗っていたの子供には半年後に治療費約30万円、賠償金約50万円が支払われた。女性の方はそれからさらに半年以上(事故から1年以上)治療に通い続け、治療費約120万円、賠償金約150万円が支払われた。あとで見たら自転車にも修理代として4万円弱が支払われていた(もちろん壊れてなどいないが)。保険会社によると、本人はまだまだ通院すると言ったそうだが、さすがに保険会社もこれ以上はということで、多めの賠償金で手を打ったそうだ。クルマがかすっただけで実に350万円ものお金が支払われたのである。
▲自賠責は任意保険に優先して一人あたり120万円まで支払われる。つまり子供の分は全額自賠責から、女性の分は120万円が自賠責から支払われ、残りの150万円ほどが任意保険からの支払われた。人身事故の場合、このようにまず自賠責が使われる仕組みである。つまり120万円までは、任意保険会社の自腹は痛まない。このため割に支払いが甘いとされるが、それを超えると示談を急ぐ傾向にあるようだ。これを知ると自賠責が赤字になるのは、今回のケースのようにどんどん支払われてることも原因の一つではないかと思えてきた。
▲一般的には加害者という立場になる私だが、このケース、さすがに素直にごめんなさいという気になれない。保険会社によればこのような支払い事例は少なくないようだ。この女性に関しても、初めての事故ではなく、過去にそれなりに経験があるように思われるという。ただそうしたデータを自賠責は持ってはいないようだ。任意保険の会社では、自社が支払った人のデータベースを持っているようだが、それでも他社のデータまで見ることまではできないようで、いわゆるブラックリストのようなものは、公には存在していないという。同じ会社で二度目の事故請求となれば、当然それなりの対応をするようだが。
▲いずれにしても自賠責が赤字になっている中で、今回のような支払い事例を見てしまうと、まじめに自賠責のお金を支払っているドライバーがバカを見ているような気がしてくる。また死亡最大3000万円、けが最大120万円の自賠責では賠償金が全額支払いきれないケースが多い(今回もそう)。であれば自賠責などもう撤廃して、民間の自動車保険に一本化し、加入を義務づける方が合理的ではないだろうか。保険会社も支払いが慎重になるだろう。もちろん保険に入らない人はより厳しく取り締まるべきで、警察にも意味のよくわからない交通取り締まりばかりでなく、こちらにも力を入れてもらいたいもの。
▲また、多大な労力をかけて警察が現場検証をしてくれるのだから、個々の事故に応じて過失責任を算定する仕組みと、それに対する賠償を明文化できないものだろうか。今回のケースであれば、この保険金支払いが何だかちょっと変だと言える第三者は、当日の現場検証をして書類を作った(それゆえ行政処分を下した)警察しかいないのだから。何百万円ものお金が動く話なのだから、民事不介入の一言で済ましていいのかとも思う。どれだけ安全に気を使って運転していても、事故は起きるときには起きてしまう。その時の備えを、個人はもちろん、制度としても見直す時が来ているのではないだろうか。
▲昨年(2010年)の無保険車(自賠責未加入車)摘発が過去10年で最多の5385件に上っているという。自賠責に入っていない人はものすごく多いようだ。また無保険車によって事故にあった被害者を救済するため、国が賠償金を加害者(無保険車運転者)に代わって立て替える制度があり、そうして支払われた立替金を加害者から回収できなかった額は458億円に上るという。この制度では自賠責とほぼ同額が被害者に支払われるが、その原資は自賠責保険料の一部とのこと。今回、もし私が無保険車であった場合、どのように支払われただろうか。被害者であることを声高に主張すれば、この制度でも支払われるのだろうか。クルマを取り巻く問題の一つがこんなところにもある。

欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

デジタルデバイドを超えるもの(ありがとう、ジョブズ):編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 22nd, 2011 · No Comments

▲最近あまり言われなくなったが、デジタルデバイドは確かにまだまだ存在している。実際、私のようなアラカン世代ともなると、おそらく半分以下の人しかネットやデジタルグッズの恩恵を被っていないだろう。うちのかみさんは、私の影響もあって、様々なデジタルグッズを使っており、TwitterやFacebookは私より積極的だし、何よりそれに割く時間がものすごく多くて、テレビや映画をあまり見なくなった。彼女は「最近のつまらないテレビを見たくもないと思う同世代は、デジタルグッズなしだといったい何をして楽しんでいるのだろう」とまで言う。
▲近所に住む彼女の同級生は、デジタル物は全くダメ。その旦那も同様。さすがに携帯メールくらいは使っているが、ネットもほとんど見ないらしい。親族は誰も彼女に使い方を教えないし、デジタル物は結構高額だから買えないとのこと。ということで彼女は今後、デジタル物を使うことはなく老いていくように思える。何かのきっかけで、彼女がデジタル物を使うようになることは、はたしてこの先果たしてあるのだろうか。
▲と考えたとき、いや案外あるかも、と思い当たることがある。それはタブレットと無線回線の普及が急速だからだ。うちのかみさんもPCは使うが、はっきりいってあまり得意ではない。仕事のために開くことはあるが、もっぱら使うのはiPhoneとiPadだ。私はアップル嫌いなのでこれらを全く使わないため、彼女に対しては完全にノーサポート。彼女はそれまでの知識に加え、ネットで多くの知人を得て、これらを使いこなしている。いや、使いこなしているとまではいえないようだが、少なくとも楽しめるレベルにある。まあ十分だろう。
▲しかし正直なところ、まだタブレット類もスマホも普通のおばさんにはかなりハードルが高い。とはいえかみさんを見ればわかるとおり、PCと比べたらこれはもう圧倒的に簡単だ。象徴的なのはキーボードが無いことだろう。パソコン利用の大きなハードルはキーボードとマウスだ。カーソルを動かし、ダブルクリックし、ローマ字入力して変換する、この一連の作業ができるようになるかが、パソコンの最大の難関だったといってもいい。クルマでいえば、クラッチとアクセルとギアだ。昔はこの三つを使えるようになるため免許取得に苦労したものだが、今はオートマだから苦も無く免許が取れる。しかしPCはいまだに難しい。いったん覚えればクルマもPCもとても便利になるのだが。
▲これがタブレットやスマホとなると直感的に触れるだけだ。入力にしても最近は手書きIMEが実用域に入っている。私はキーボードがあれば考える速度で入力できるが、フリック入力はそこまでは無理。そのためまるでキーボードの使えない老人になった気分でめげていた。といって今さら入力練習をするのも嫌。そこで手書きIMEを入れてみたら、これが結構使える。簡単な文章なら今や手書きの方が手っ取り早い。昔、PalmOSのPDAで特殊な手書き文字を覚えたものだが、今は日本語がそのまま手書き入力できる。つまりタッチパネルと手書きIMEがあれば、どんな老人だってタブレットやスマホ使いこなせる可能性がある。ウインドウズ8はPCでそれをやろうとしているのだろう。
▲またタブレットでやることは、基本的にすべてアプリにしてしまえば簡単だ。ブラウザで新聞サイトを読むより、新聞のアプリを入れて開いた方が簡単で見やすい。こうなると今後大手サイトはすべてアプリ化するしかないだろう。タブレットやスマホにそのアプリを入れれば、実際すぐに誰でもひとまず見られるし使える。デジタルデバイドなおばさんでもちょっと教えれば多分すぐに使いこなせるはずだ。
▲そしてもう一つは回線の問題。PCでネットを見ようと思うと、回線を確保し、プロバイダを契約し、ルータを置き、無線LANを設定するという大きなハードルがあったが、タブレットやスマホはそれが内蔵されている。テザリングができれば必要に応じてPCだってつなげられる。ワンアクションで、しかも無線でネットに繋がるのは、おばさんにも抵抗はないだろう。問題はまだ少し高めの回線料金だが、これはいずれだんだん下がっていくだろう。むろんトラフィック増の問題は今後解決しないといけないが。
▲つまりもうPCは死んだのだ。デジタルデバイドの解決にはPCはもはや何の力も持たない。今後はすべて、タブレットやスマホの世界になっていくだろう。その暁には、じいさんもばあさんもネットに繋がる。ウインドウズ、これまで長い間ありがとう。ビル・ゲイツ、ここまできたのはあなたのおかげ。ありがとう。でも、頭のいいあなたはもう自分の出る幕ではないと数年前にわかってしまったゆえ、とっとと引退したのだろう。そしてスティーヴ・ジョブス、本当にありがとう、ご苦労様。一足先にクラウドの世界へ旅立ったあなたのおかげで、私たちはここまできた。私はマックが嫌いだ。だけどあなたがいて本当によかった。
▲二人と同世代の私はもう少し生きながらえるつもりだ。PCジジイの私は今後、猫も杓子もタブレットばかり使いやがって、と悪態をつきながらのたれ死ぬしかないのかもしれない。だって手書き入力しかできないということは、隣のおばさんと同レベルになってしまったのだからw。その前にできるだけ自分のデータをクラウドに上げて、ジョブズのようにクラウドの中で生き続けるための準備をしよう。現世と来世はやがてクラウドの中で融合するかもしれない。私も旅立ちの準備の前に、まずはアップロードだ。
欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

自賠責が赤字。その原因の一つは私かもしれない:編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 22nd, 2011 · No Comments

▲自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責が赤字ということで、今年(2011年)4月から保険料が引き上げられていることをご存じだろうか。自賠責がどう運営されているのか、なぜ赤字なのかが今ひとつはっきりしないが、いずれにしても事故での支払いが多いということに関しては間違いないようだ。私も昨年、この保険が大量に払われた事故に遭遇したので、報告しておきたい。ちょっと、なんだかな、と思う話だ。
▲まずその事故だが、四十絡みの女性が乗る自転車に、私のクルマがかすったというもの。事故状況だが、横断歩道で止まった私のクルマの前を横切った自転車の駐輪スタンドの後端に、少し動き出した私のクルマ前部がかすった(らしい)。女性は子供を自転車後部のチャイルドシートに乗せていた。クルマ側にはなんら衝撃は無く、そのまま通り過ぎるところだったが、自転車を止めて振り向いた女性がわめいているので、クルマを止めると、当たったと言う。むろん自転車は倒れてなどいないし、クルマを見ても当たった形跡がないので、そんなことはないというと、足が痛いと言い出した。当たり屋ではないかと疑ったくらいの強い語気に、それなら警察へ行こうと近所の交番へ。この時は特に痛がる様子もなかったのだが。
▲交番で事故処理班を呼んでもらい、現場検証したが、そこで私のクルマのバンパー下にごく小さな擦り跡があり、ここに接触したのだろうということに。そうなれば致し方ないので、こちらも下手に出ることにしたのだが、そうすると今度は後ろに乗っていた子供も体が痛いといっていると言いだした。さすがにこれは普通じゃないなと思ったが、警察とも話をして、一週間様子を見て人身事故にするかどうか決めるということでその日は別れた。翌日、お詫びとして菓子折を持って事故現場すぐの自宅に行くと、受け取らない。保険屋と話すから受け取れないという。今までいくつもの事故に対応してきたが、この時点でちょっとやっかいな人であると再確認した。
▲一週間過ぎたら警察から連絡があり、案の定、先方は人身事故扱いにしたいと言っているとのこと。うちの保険会社と相談したが、そうした人だったら保険を使った方がいいでしょうとのアドバイスもあり、その後の対応は保険会社に任せた。そして私には軽微な人身事故(ただし女性と子供の二人分)ということで行政処分点4点がつけられた。おかげで累積6点になってしまい、以前のコラムで書いたように講習出席の次第となったのである。ただし、いわゆる罰金はまったく来なかった。警察としてもごくごく軽微な事故という認識だったからだろう。
▲それからは保険会社からの報告書を読んでいただけなのだが、後ろに乗っていたの子供には半年後に治療費約30万円、賠償金約50万円が支払われた。女性の方はそれからさらに半年以上(事故から1年以上)治療に通い続け、治療費約120万円、賠償金約150万円が支払われた。あとで見たら自転車にも修理代として4万円弱が支払われていた(もちろん壊れてなどいないが)。保険会社によると、本人はまだまだ通院すると言ったそうだが、さすがに保険会社もこれ以上はということで、多めの賠償金で手を打ったそうだ。クルマがかすっただけで実に350万円ものお金が支払われたのである。
▲自賠責は任意保険に優先して一人あたり120万円まで支払われる。つまり子供の分は全額自賠責から、女性の分は120万円が自賠責から支払われ、残りの150万円ほどが任意保険からの支払われた。人身事故の場合、このようにまず自賠責が使われる仕組みである。つまり120万円までは、任意保険会社の自腹は痛まない。このため割に支払いが甘いとされるが、それを超えると示談を急ぐ傾向にあるようだ。これを知ると自賠責が赤字になるのは、今回のケースのようにどんどん支払われてることも原因の一つではないかと思えてきた。
▲一般的には加害者という立場になる私だが、このケース、さすがに素直にごめんなさいという気になれない。保険会社によればこのような支払い事例は少なくないようだ。この女性に関しても、初めての事故ではなく、過去にそれなりに経験があるように思われるという。ただそうしたデータを自賠責は持ってはいないようだ。任意保険の会社では、自社が支払った人のデータベースを持っているようだが、それでも他社のデータまで見ることまではできないようで、いわゆるブラックリストのようなものは、公には存在していないという。同じ会社で二度目の事故請求となれば、当然それなりの対応をするようだが。
▲いずれにしても自賠責が赤字になっている中で、今回のような支払い事例を見てしまうと、まじめに自賠責のお金を支払っているドライバーがバカを見ているような気がしてくる。また死亡最大3000万円、けが最大120万円の自賠責では賠償金が全額支払いきれないケースが多い(今回もそう)。であれば自賠責などもう撤廃して、民間の自動車保険に一本化し、加入を義務づける方が合理的ではないだろうか。保険会社も支払いが慎重になるだろう。もちろん保険に入らない人はより厳しく取り締まるべきで、警察にも意味のよくわからない交通取り締まりばかりでなく、こちらにも力を入れてもらいたいもの。
▲また、多大な労力をかけて警察が現場検証をしてくれるのだから、個々の事故に応じて過失責任を算定する仕組みと、それに対する賠償を明文化できないものだろうか。今回のケースであれば、この保険金支払いが何だかちょっと変だと言える第三者は、当日の現場検証をして書類を作った(それゆえ行政処分を下した)警察しかいないのだから。何百万円ものお金が動く話なのだから、民事不介入の一言で済ましていいのかとも思う。どれだけ安全に気を使って運転していても、事故は起きるときには起きてしまう。その時の備えを、個人はもちろん、制度としても見直す時が来ているのではないだろうか。
▲昨年(2010年)の無保険車(自賠責未加入車)摘発が過去10年で最多の5385件に上っているという。自賠責に入っていない人はものすごく多いようだ。また無保険車によって事故にあった被害者を救済するため、国が賠償金を加害者(無保険車運転者)に代わって立て替える制度があり、そうして支払われた立替金を加害者から回収できなかった額は458億円に上るという。この制度では自賠責とほぼ同額が被害者に支払われるが、その原資は自賠責保険料の一部とのこと。今回、もし私が無保険車であった場合、どのように支払われただろうか。被害者であることを声高に主張すれば、この制度でも支払われるのだろうか。クルマを取り巻く問題の一つがこんなところにもある。

欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

愛知県ITS推進協議会 第57回セミナー:ITS DAYS

11月 22nd, 2011 · No Comments

11月21日(月)、名古屋市名駅・ミッドランドスクエアにて、愛知県ITS推進協議会の第57回セミナーが開催された。講演内容は次のとおり。
【講演1】ドライバーモニターの現状と今後の課題
愛知県立大学 情報科学共同研究所所長 小栗宏次 氏
クルマの室内という空間は、人間(ドライバー)の様々な生体信号やログを検出する上でうってつけの空間だという(その他に最適な空間と言えば風呂、トイレ、そしてベッドが挙げられる)。
ドライバーの生体情報等をリアルタイムでモニタリングすることで、様々な情報を取得・解析し、安全運転に役立てようとする小栗氏の研究概要が紹介された。
ここで言うドライバーの生体情報とは、心電や心拍、呼吸、脈波、血圧などのほか、顔の温度や目の瞬き・瞳孔等々のことを指す。生態学的・医学的な角度からドライバーを観察するためのセンサーを即時に開発する等、フルタイムドライっばモニタリングに向けた様々なアプローチが紹介された。
【講演2】トヨタのアクティブセーフティ技術への取り組み
トヨタ自動車(株)第2電子開発部 第2電子先行開発室室長 山口竜司 氏
事故ゼロへ向けて、トヨタ自動車による技術開発の変遷と現状が紹介された。特に近年ではミリ波レーダやステレオカメラを使ったアクティブセーフティの進化が目覚しい。今後は、車両に搭載された様々なセーフティシステムを統合・最適化し、自律的かつインフラ協調による安全性向上につなげたいとする旨が紹介された。
【講演3】高精度GPS移動計測装置モービルマッピングシステムのITS分野での利活用について
アイサンテクノロジー(株)プロダクトソリューション事業本部部長代理 佐藤直人 氏
GPSシステムとレーザースキャナ、カメラ等を組み合わせた「モービルマッピングシステム(MMS)」の紹介が行われた。車両ルーフに搭載し、道路を走行するだけで高精度の3次元地図データが取得できるこのシステムが取得できる地図の精度は1/500レベル。これは公共工事等に用いられる測量として十分なレベルで、測量作業の大幅な効率化が実現できることになる。講演では各種の測量分野のみならず、トンネル・高速道路、航空機の滑走路の点検をはじめ、東日本大震災の復興・都市再生にも寄与するなど、多彩な活用事例が報告された。
MMSのGPSシステムは準天頂GPS衛生「みちびき」を活用している。GPS衛生による正確な座標基準の地図データの提供サービスは、多彩なビジネスチャンスが期待できる強力なサービスとして今後の展開が楽しみだ。
【安原武志(DAYS Inc.)】
欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

デジタルデバイドを超えるもの(ありがとう、ジョブズ):編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 20th, 2011 · No Comments

▲最近あまり言われなくなったが、デジタルデバイドは確かにまだまだ存在している。実際、私のようなアラカン世代ともなると、おそらく半分以下の人しかネットやデジタルグッズの恩恵を被っていないだろう。うちのかみさんは、私の影響もあって、様々なデジタルグッズを使っており、TwitterやFacebookは私より積極的だし、何よりそれに割く時間がものすごく多くて、テレビや映画をあまり見なくなった。彼女は「最近のつまらないテレビを見たくもないと思う同世代は、デジタルグッズなしだといったい何をして楽しんでいるのだろう」とまで言う。
▲近所に住む彼女の同級生は、デジタル物は全くダメ。その旦那も同様。さすがに携帯メールくらいは使っているが、ネットもほとんど見ないらしい。親族は誰も彼女に使い方を教えないし、デジタル物は結構高額だから買えないとのこと。ということで彼女は今後、デジタル物を使うことはなく老いていくように思える。何かのきっかけで、彼女がデジタル物を使うようになることは、はたしてこの先果たしてあるのだろうか。
▲と考えたとき、いや案外あるかも、と思い当たることがある。それはタブレットと無線回線の普及が急速だからだ。うちのかみさんもPCは使うが、はっきりいってあまり得意ではない。仕事のために開くことはあるが、もっぱら使うのはiPhoneとiPadだ。私はアップル嫌いなのでこれらを全く使わないため、彼女に対しては完全にノーサポート。彼女はそれまでの知識に加え、ネットで多くの知人を得て、これらを使いこなしている。いや、使いこなしているとまではいえないようだが、少なくとも楽しめるレベルにある。まあ十分だろう。
▲しかし正直なところ、まだタブレット類もスマホも普通のおばさんにはかなりハードルが高い。とはいえかみさんを見ればわかるとおり、PCと比べたらこれはもう圧倒的に簡単だ。象徴的なのはキーボードが無いことだろう。パソコン利用の大きなハードルはキーボードとマウスだ。カーソルを動かし、ダブルクリックし、ローマ字入力して変換する、この一連の作業ができるようになるかが、パソコンの最大の難関だったといってもいい。クルマでいえば、クラッチとアクセルとギアだ。昔はこの三つを使えるようになるため免許取得に苦労したものだが、今はオートマだから苦も無く免許が取れる。しかしPCはいまだに難しい。いったん覚えればクルマもPCもとても便利になるのだが。
▲これがタブレットやスマホとなると直感的に触れるだけだ。入力にしても最近は手書きIMEが実用域に入っている。私はキーボードがあれば考える速度で入力できるが、フリック入力はそこまでは無理。そのためまるでキーボードの使えない老人になった気分でめげていた。といって今さら入力練習をするのも嫌。そこで手書きIMEを入れてみたら、これが結構使える。簡単な文章なら今や手書きの方が手っ取り早い。昔、PalmOSのPDAで特殊な手書き文字を覚えたものだが、今は日本語がそのまま手書き入力できる。つまりタッチパネルと手書きIMEがあれば、どんな老人だってタブレットやスマホ使いこなせる可能性がある。ウインドウズ8はPCでそれをやろうとしているのだろう。
▲またタブレットでやることは、基本的にすべてアプリにしてしまえば簡単だ。ブラウザで新聞サイトを読むより、新聞のアプリを入れて開いた方が簡単で見やすい。こうなると今後大手サイトはすべてアプリ化するしかないだろう。タブレットやスマホにそのアプリを入れれば、実際すぐに誰でもひとまず見られるし使える。デジタルデバイドなおばさんでもちょっと教えれば多分すぐに使いこなせるはずだ。
▲そしてもう一つは回線の問題。PCでネットを見ようと思うと、回線を確保し、プロバイダを契約し、ルータを置き、無線LANを設定するという大きなハードルがあったが、タブレットやスマホはそれが内蔵されている。テザリングができれば必要に応じてPCだってつなげられる。ワンアクションで、しかも無線でネットに繋がるのは、おばさんにも抵抗はないだろう。問題はまだ少し高めの回線料金だが、これはいずれだんだん下がっていくだろう。むろんトラフィック増の問題は今後解決しないといけないが。
▲つまりもうPCは死んだのだ。デジタルデバイドの解決にはPCはもはや何の力も持たない。今後はすべて、タブレットやスマホの世界になっていくだろう。その暁には、じいさんもばあさんもネットに繋がる。ウインドウズ、これまで長い間ありがとう。ビル・ゲイツ、ここまできたのはあなたのおかげ。ありがとう。でも、頭のいいあなたはもう自分の出る幕ではないと数年前にわかってしまったゆえ、とっとと引退したのだろう。そしてスティーヴ・ジョブス、本当にありがとう、ご苦労様。一足先にクラウドの世界へ旅立ったあなたのおかげで、私たちはここまできた。私はマックが嫌いだ。だけどあなたがいて本当によかった。
▲二人と同世代の私はもう少し生きながらえるつもりだ。PCジジイの私は今後、猫も杓子もタブレットばかり使いやがって、と悪態をつきながらのたれ死ぬしかないのかもしれない。だって手書き入力しかできないということは、隣のおばさんと同レベルになってしまったのだからw。その前にできるだけ自分のデータをクラウドに上げて、ジョブズのようにクラウドの中で生き続けるための準備をしよう。現世と来世はやがてクラウドの中で融合するかもしれない。私も旅立ちの準備の前に、まずはアップロードだ。
欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

自賠責が赤字。その原因の一つは私かもしれない:編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 20th, 2011 · No Comments

▲自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責が赤字ということで、今年(2011年)4月から保険料が引き上げられていることをご存じだろうか。自賠責がどう運営されているのか、なぜ赤字なのかが今ひとつはっきりしないが、いずれにしても事故での支払いが多いということに関しては間違いないようだ。私も昨年、この保険が大量に払われた事故に遭遇したので、報告しておきたい。ちょっと、なんだかな、と思う話だ。
▲まずその事故だが、四十絡みの女性が乗る自転車に、私のクルマがかすったというもの。事故状況だが、横断歩道で止まった私のクルマの前を横切った自転車の駐輪スタンドの後端に、少し動き出した私のクルマ前部がかすった(らしい)。女性は子供を自転車後部のチャイルドシートに乗せていた。クルマ側にはなんら衝撃は無く、そのまま通り過ぎるところだったが、自転車を止めて振り向いた女性がわめいているので、クルマを止めると、当たったと言う。むろん自転車は倒れてなどいないし、クルマを見ても当たった形跡がないので、そんなことはないというと、足が痛いと言い出した。当たり屋ではないかと疑ったくらいの強い語気に、それなら警察へ行こうと近所の交番へ。この時は特に痛がる様子もなかったのだが。
▲交番で事故処理班を呼んでもらい、現場検証したが、そこで私のクルマのバンパー下にごく小さな擦り跡があり、ここに接触したのだろうということに。そうなれば致し方ないので、こちらも下手に出ることにしたのだが、そうすると今度は後ろに乗っていた子供も体が痛いといっていると言いだした。さすがにこれは普通じゃないなと思ったが、警察とも話をして、一週間様子を見て人身事故にするかどうか決めるということでその日は別れた。翌日、お詫びとして菓子折を持って事故現場すぐの自宅に行くと、受け取らない。保険屋と話すから受け取れないという。今までいくつもの事故に対応してきたが、この時点でちょっとやっかいな人であると再確認した。
▲一週間過ぎたら警察から連絡があり、案の定、先方は人身事故扱いにしたいと言っているとのこと。うちの保険会社と相談したが、そうした人だったら保険を使った方がいいでしょうとのアドバイスもあり、その後の対応は保険会社に任せた。そして私には軽微な人身事故(ただし女性と子供の二人分)ということで行政処分点4点がつけられた。おかげで累積6点になってしまい、以前のコラムで書いたように講習出席の次第となったのである。ただし、いわゆる罰金はまったく来なかった。警察としてもごくごく軽微な事故という認識だったからだろう。
▲それからは保険会社からの報告書を読んでいただけなのだが、後ろに乗っていたの子供には半年後に治療費約30万円、賠償金約50万円が支払われた。女性の方はそれからさらに半年以上(事故から1年以上)治療に通い続け、治療費約120万円、賠償金約150万円が支払われた。あとで見たら自転車にも修理代として4万円弱が支払われていた(もちろん壊れてなどいないが)。保険会社によると、本人はまだまだ通院すると言ったそうだが、さすがに保険会社もこれ以上はということで、多めの賠償金で手を打ったそうだ。クルマがかすっただけで実に350万円ものお金が支払われたのである。
▲自賠責は任意保険に優先して一人あたり120万円まで支払われる。つまり子供の分は全額自賠責から、女性の分は120万円が自賠責から支払われ、残りの150万円ほどが任意保険からの支払われた。人身事故の場合、このようにまず自賠責が使われる仕組みである。つまり120万円までは、任意保険会社の自腹は痛まない。このため割に支払いが甘いとされるが、それを超えると示談を急ぐ傾向にあるようだ。これを知ると自賠責が赤字になるのは、今回のケースのようにどんどん支払われてることも原因の一つではないかと思えてきた。
▲一般的には加害者という立場になる私だが、このケース、さすがに素直にごめんなさいという気になれない。保険会社によればこのような支払い事例は少なくないようだ。この女性に関しても、初めての事故ではなく、過去にそれなりに経験があるように思われるという。ただそうしたデータを自賠責は持ってはいないようだ。任意保険の会社では、自社が支払った人のデータベースを持っているようだが、それでも他社のデータまで見ることまではできないようで、いわゆるブラックリストのようなものは、公には存在していないという。同じ会社で二度目の事故請求となれば、当然それなりの対応をするようだが。
▲いずれにしても自賠責が赤字になっている中で、今回のような支払い事例を見てしまうと、まじめに自賠責のお金を支払っているドライバーがバカを見ているような気がしてくる。また死亡最大3000万円、けが最大120万円の自賠責では賠償金が全額支払いきれないケースが多い(今回もそう)。であれば自賠責などもう撤廃して、民間の自動車保険に一本化し、加入を義務づける方が合理的ではないだろうか。保険会社も支払いが慎重になるだろう。もちろん保険に入らない人はより厳しく取り締まるべきで、警察にも意味のよくわからない交通取り締まりばかりでなく、こちらにも力を入れてもらいたいもの。
▲また、多大な労力をかけて警察が現場検証をしてくれるのだから、個々の事故に応じて過失責任を算定する仕組みと、それに対する賠償を明文化できないものだろうか。今回のケースであれば、この保険金支払いが何だかちょっと変だと言える第三者は、当日の現場検証をして書類を作った(それゆえ行政処分を下した)警察しかいないのだから。何百万円ものお金が動く話なのだから、民事不介入の一言で済ましていいのかとも思う。どれだけ安全に気を使って運転していても、事故は起きるときには起きてしまう。その時の備えを、個人はもちろん、制度としても見直す時が来ているのではないだろうか。
▲昨年(2010年)の無保険車(自賠責未加入車)摘発が過去10年で最多の5385件に上っているという。自賠責に入っていない人はものすごく多いようだ。また無保険車によって事故にあった被害者を救済するため、国が賠償金を加害者(無保険車運転者)に代わって立て替える制度があり、そうして支払われた立替金を加害者から回収できなかった額は458億円に上るという。この制度では自賠責とほぼ同額が被害者に支払われるが、その原資は自賠責保険料の一部とのこと。今回、もし私が無保険車であった場合、どのように支払われただろうか。被害者であることを声高に主張すれば、この制度でも支払われるのだろうか。クルマを取り巻く問題の一つがこんなところにもある。

欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

BMW 116i:新車試乗記

11月 20th, 2011 · No Comments

キャラクター&開発コンセプト
7年ぶりのモデルチェンジ。1.6直噴ターボ+8ATを採用
新型BMW 1シリーズ
(photo:BMW ジャパン)
2011年10月から国内でのデリバリーが始まった新型「1シリーズ」は、2004年に発売された初代に続く2代目。BMWブランドの最小モデルであり、VWゴルフやアウディA3等が居並ぶクラスでは唯一のFR(フロントエンジン・リア駆動)車になる。
新型はデザインを一新し、ボディサイズも拡大。先代で狭さが指摘されていた室内空間(特に後席)も同時に拡大されている。また新開発の1.6リッター直4・直噴ターボエンジンを全車に搭載。これはMINIのクーパーSなどに搭載されているエンジンを縦置き用に改変したもので、BMWブランドでは初搭載になる。
またこのクラスでは極めて贅沢と言える8速ATを日本仕様の全車に搭載。アイドリングストップ機構も同時に採用され、燃費性能は先代に比べて約25%改善され、JC08モード燃費は全車共通で16.6km/Lとなっている。
価格帯&グレード展開
全車1.6ターボ・8AT。116iが308万円~、120iが367万円~
(photo:BMW ジャパン)
欧州にはディーゼルターボもあるが、日本仕様は全て1.6リッター「バルブトロニック」直噴ターボを搭載。チューンレベルは2種類あり、「116i」は最高出力136ps / 4400ー450rpm、最大トルク22.4kgm / 1350ー4300rpm、「120i」が最高出力170ps / 4800ー6450rpm、最大トルク25.5kgm / 1500ー4500rpmになる。ちなみにMINI クーパーSは184psと24.5kgm、最も高性能なJCW(ジョン・クーパー・ワークス)は211psと26.5kgmだから、1シリーズにはまだまだチューンの余力がある。
欧州には6MTもあるが、日本仕様は全車トルコンの8速AT。5ドアのみなのは、今のところドイツ本国でも同じだ。
また新型1シリーズでは新たな試みとして、標準仕様、「スポーツ」(内装に主に赤のラインなどが入る)、「スタイル」(クローム仕上げのキドニーグリル、モノトーンのレザーコンビシートなどで大人っぽい雰囲気)といった具合に、内装の仕上げやアルミホイールの意匠が異なる3つのグレードを設定している。
左が「スポーツ」、右が「スタイル」(欧州仕様)
(photo:BMW ジャパン)
・116i     8速AT  308万円  ※今回の試乗車
・116i Sport  8速AT  318万円
・116i Style  8速AT  318万円
・120i     8速AT  367万円
・120i Sport  8速AT  387万円
・120i Style  8速AT  387万円
パッケージング&スタイル
逆反りフェイスが復活? ロングノーズも個性として強調
話題に出す時、「あのヘッドライトが・・・・・・」から始まる新型1シリーズ。よりワイドになったキドニーグリルはいいとして、左右に寄った三角ヘッドライトが第一印象を左右する。しかもグリルの垂直面が1960年代~80年代のBMWのように逆反りになっているのも特徴。これがクルマ好きにはある種の懐かしさを、そうでない人には新しさを感じさせる。この逆反りデザインは、すでにBMWの新型車で続々と“復活”していて(例えば新型6シリーズ)、見慣れてくるとカッコよく見えてくる可能性あり。
 
このヘッドライトはサイドに思い切り回り込んでおり、横から見た時のロングノーズ感を強めている。フロントのオーバーハングを切り詰めていた初代とは正反対のアプローチだが、おかげで初代にあった寸詰まり感はなくなり、見た目のバランスは良くなった。言わば1シリーズ・ツーリングみたいに見える、といったら言い過ぎかもしれないけど。
 
ボディサイズは全長4335mm×全幅1765mm×全高1440mmで(Mスポーツ・サスペンション仕様は全高のみ-15mm)、ホイールベースは2690mm。初代1シリーズよりも全長は95mm、ホイールベースは30mm、全幅は15mm大きくなったが、全高は変わらず。つまり依然としてゴルフやA3といったライバル車と大差ない大きさで、現行プリウスに比べれば125mmも短く、90mm低い。今や日本でも、そう抵抗のない大きさだろう。
インテリア&ラゲッジスペース
BMWらしさと最新技術が程よく混じり合う
キーレスエンジンスタートは全車標準。ただしコンフォートアクセス(ドアの施解錠までリモコン操作なしで行う)は116iだとオプション
インパネはドライバーを中心としたBMWらしいデザイン。ドライバーの方に傾いたセンターコンソール、何十年も基本デザインを変えていない(ように見える)アナログの2眼メーター、オルガン式のアクセルペダルなどなど、馴染みのある意匠で構成されている。
質感についてはこの標準車の場合、BMWらしく素っ気ないが、それでも3シリーズと見紛うようなレベルにはある。それからAピラーの角度やパッケージングの変更のせいか、前席においても空間は何となく広くなったような印象。
 
6.5インチのコントロールディスプレイは標準装備。ナビ装着車は8.8インチのワイドディスプレイになる
一方で、1シリーズへの気合いの入り方は、操作系にはっきり現れている。試乗車は最もベーシックな116i(ほぼ標準仕様車)だったが、iDrive(モニターとコントローラーのセット)、新世代の電子制御式シフトレバー、アイドリングストップ機構など各種環境技術に対応したメーター表示やスイッチ類などが標準装備となり、しかもデザインや使い勝手がよく練られている。
ただ、ナビゲーションシステムは全車オプション。試乗車も未装着だったが、最初はナビ付きだと思って、一生懸命メニューを探してしまった。ナビ装着車であればiDriveコントローラーにショートカットボタンが付く。
初代の弱点を解消
座面横にリクライナー(写真左)とシートリフター(写真右)が備わる。ステアリングのチルト・テレスコは当然ながら標準
フロントシートはホールド性やポジション調整自由度が高いもので、この点についてはほとんど不満なし。ほとんど、と言うのは手動式シートの場合、シートリフターがガススプリング式で、体重を頑張って抜かないと上がって来なくて困ったから。それと多くの人は最初にラチェット式だと勘違いして、レバーをむなしくカチャカチャと動かすはず。一方、背もたれをレバー操作一発で倒せるのはBMWの隠れた長所。
 
サイドウインドウは100%開く。中央席は小柄な人や子供なら使用可
そして1シリーズと言えば、一番気になるのが後席のはず。なにしろ先代では最大の弱点が後席の狭さと乗降性の悪さだったから。というわけで、期待と不安を胸に、リアドアを開けてみたら少しホッとした。新旧を直接比べていないので細かいことは言えないが、足運びは明らかに楽になり、ドアやサイドシルに足を引っかける心配はかなり減っている。また意識して頭を屈めなくて済むようになったのも朗報。
 
乗降性は確実に良くなった。エアバッグは計6個を標準装備
先代より20mmフットルームが拡大した後席は、もうほとんどコンパクトカーとして不満がないと思う。ゴルフよりはタイトだが、ポロが相手ならいい勝負では。背もたれの角度も適度で、座り心地は格別に良くもないが、文句もない。一昔前の3シリーズ、つまりE36型とかE46型の後席とあんまり変わらないのでは。
トランク容量はFFのライバル車と互角
容量は360リッターで、ゴルフを10リッター上回る
トランク容量は360リッターと、ライバルのFFハッチバック車と互角か、若干上回るレベル。おそらくランフラット仕様(スペアタイヤレス)が効いているはずだ。
背もたれをパタンと倒せば、ほぼフラットな床が拡がり、ワゴンのような眺めになる。この時の容量は1200リッターで、これで十分じゃん、と思う方も少なくないのでは。またしても「1シリーズ ツーリング」と呼びたい眺め。
 
ちなみにその背もたれは、試乗車の場合は60:40の分割可倒式だったが、全車オプションで40:20:40の3分割(スルーローディング・システム)も選べる。3分割シートと言えば、実はX1もそうで、そういえばリアウインドウのデフロスター(熱線)も新型1シリーズとX1は共にワイパーピボットを中心に同心円を描くものになっている。何か効果があるのだろうか?
 
新型1シリーズは全車ランフラットタイヤが標準。ゆえにスペアタイヤはなく、代わりにバッテリー(BMWではトランクが定位置)やヒューズボックスが荷室床下に収まる。わざわざバッテリーをここに搭載するのは、もちろん前後重量配分を50:50に近づけるため。
基本性能&ドライブフィール
磨きがかかった1.6直噴ターボ
BMWではこのエンジンを「BMWツインパワー・ターボ・エンジン」と呼ぶが、少なくともこの場合のツインとはツインターボではなく、ツインスクロール式のこと
試乗したのはエントリーグレードの「116i」(308万円)で、136psの1.6直噴ターボモデル。もう59万円余分に出すと、同じエンジンで馬力が170psに跳ね上がる「120i」が買えるが、結論から言えばよほどの飛ばし屋さんじゃない限り、この116iで十分だ。
大ざっぱに言ってこのエンジンは、MINIクーパーS用の最新型エンジン(つまりバルブトロニック追加版)を縦置きに改変したもの。そんなわけで事前の予想では「エンジンの感触はMINIっぽいかも」だったが、実際にはまったくそんなことはない。いかにもBMWらしい精緻な回り方、静粛性の高さ、アクセル操作に対するナチュラルな反応など、いろんな点でBMW的にオトナ。実際のところ、エンジンはほとんど別物のようだ。
加速中にアクセルを戻すとプシュ~とターボならではの音がかすかに聞こえるが、エンジン特性そのものはけっこうノンターボ的。また、いきなり運転した人に「これって直6ですか」と聞かれても笑ってはいけない。分厚いトルクやスムーズな回転フィーリングは、6気筒に迫るからだ。「このエンジンは良いぞ」と思うまで、乗り始めてそんなに時間は掛からない。
8速ATが実にいい仕事をする
新世代の電子制御シフトレバーが1シリーズまで降りてきた。「P」(パーキング)はボタンを押すだけで入る
このエンジンを影で支えているのが新開発の8速AT。まるで高級車用ミッションをそのまま載せたように思えるほど、8速という数字には過剰感があるが、これが実にいい仕事をする。
まず出足がいいのは1速のギア比がかなり低いから。さらに8速もあるから、2速、3速へのつながりも良く、パワーバンドを外すことがまずありえない。それでいて巡航状態に入れば、2000回転未満の低回転をしっかりキープ。これも8速の成せる技だ。燃費にもそうとう効いている感じがある。
ただ、何が何でもエコ優先みたいな、極端な制御にはなっておらず、ちゃんとアクセル操作に対して過不足なく反応してくれる。このクラスでは直噴ターボ+7速DCTが最高だと思ってきたが、うーん、このパワートレインも実に良いなあ、と深く感心してしまう。
【アイドリングストップ機構】再始動時に少しショックがある
アイドリングストップ時と完全オフ時を区別するため、回転計の0の下にはもう一つ目盛りが刻まれている
街中で唯一気になるのは、アイドリングストップからの再始動・再スタート時に小さなショックが出ること。言うまでもなく再始動はブレーキを緩めた時に行われ、それと同時にクリープでクルマが動きだす、その瞬間にこのショック(唐突に駆動力が伝わる感じ)が出る。とはいえ、今回は試乗しているうちに徐々に気にならなくなったので、あんまり神経質になる必要はないかも。もちろんアイドリングストップをオフにすることも出来る。
面白いのは、マツダのi-stopのようにステアリングを少し切るだけでも再始動が可能なこと。この方法だと例のショックは出ない。また坂道発進では、多くのアイドリングストップ車がブレーキを離したときの後退を防ぐために電子制御のヒルホルダーを使うが、この1シリーズは坂道では最初から「アイドリングストップをしない」。いずれの方法でも傾斜センサーは要るので、そういう手もあるなあ、という感じ。
まるで軽量FRスポーツカー
新型1シリーズのハンドリングを一言で表すなら「バランス」。FR車のお手本のような操縦性が楽しめる
(photo:BMW ジャパン)
街乗りではすこぶる印象のいい新型1シリーズだが、ワインディングへ行くとそれは好印象から絶賛へと変化する。「パワーは十分だな」などと思っていたエンジンは、シフトレバーをスポーツモードに入れて、積極的にアクセルを踏み始めた時から、隠れていた本領を発揮し、山道を小気味よく加速してゆく。最高出力は136psだが、吹け上がりは爽やか。前述のように8速ATが見事にパワーバンドをキープし続けるので、コーナーの立ち上がりでもしっかり駆動力が掛かる。
しかもハンドリングは自由自在。コンパクトなボディ、感じのいい電動パワステ、タッチも効きも文句なしのブレーキ、よく動いて路面を捉え続ける4つの足、限界がつかみやすい16インチタイヤ(ブリヂストンのランフラット)、そして何より前後50:50の重量配分(車検証では710kg:690kg)、塊感のあるボディが、まるで軽量FRスポーツカーのような走りを、ごく平均的なスキルのドライバーに楽しませてくれる。すごく立派で、しなやかで快適に走るハチロクって感じ?
 
オプションの「バリアブル・スポーツ・ステアリング」は未装着だったが、操舵フィールは十分にクイック
少なくとも以前乗ったE90型の320iや335i、そして135iよりワインディングを楽しめたのは確か。DSCなどの電子デバイスが影ながらガンガン介入してアンダーステアやオーバーステアを軽減しているのは間違いないが、基本設計がよくなければこうは走らない。実際に起こる動きは優れた軽量FRスポーツカーのそれと同じで、主役はあくまでもドライバー。
当然ながら、高速道路でも性能に不足はない。80km/hオーバーで入る8速トップなら、100km/h巡航は約1750回転で可能。それなりに走行音は入ってくるが、静粛性に問題はなく、乗り心地はボディのおかげなのか、タイヤのおかげなのか、滑るが如くスムーズ。高速燃費も良く、法定速度の範囲なら瞬間燃費計は20km/L台を確実にキープし続ける。トップスピードも十分で、最高速(発表値)はこの116iでも210km/h、120iなら222km/hに達するようだ。
試乗燃費は10.9~15.1km/L。JC08モードは16.6km/L
今回はトータルで250kmを試乗。参考までに試乗燃費は、一般道と高速道路を各種パターンで走った区間(約90km)が10.9km/L。一般道を大人しく走った時が、1回目(約30km)は13.0km/L、2回目(約25km)は13.3km/L、3回目(約40km)は15.1km/Lだった。基本的にはノーマルモード、もしくはエアコン制御も含めて燃費優先になる「ECO PROモード」(最大20%まで燃費が向上するとのこと)で走ったが、車重1400kgのFRガソリン車としては言うことなしの燃費性能では。
なお10・15モード燃費は17.6km/Lで、JC08モード燃費は16.6km/L。指定燃料はプレミアムで、タンク容量は52リッターだ。
ここがイイ
エンジン、ミッション、乗り心地、ハンドリングなど、ほぼ全て
1.6リッター直噴ターボエンジン。パワフルで、トルクフル。コントローラブルで、レスポンシブ。燃費も抜群に良く、エンジン単体重量が軽いのでハンドリングもいい。
8速AT。低めの1速から超オーバードライブの8速トップまで実にギアリングが適切で、つながりもよく、適度にシャープ。7速DCTじゃなくてもいいや、と本気で思える。シフトレバーの頭にP(パーキング)ボタンがあり、サイドのロック解除ボタンを押してポジションを切り替えるのも新しい感じ。
文句なしの乗り心地。このクラス、このボディサイズ、このハンドリングで、これだけ乗り心地のいいクルマは初めてかも。ランフラットタイヤの乗り心地が硬め、などというのは完全に昔話だと分かる。
ハンドリング。FFや4WDで安心してワインディングが走れるクルマは多いが、FRでそれを実現しているのがすごい。しかもFRらしい自由度の高い操縦性、前輪と後輪を同時に使って曲がって行く感覚も完璧に味わえる。
全車標準のiDriveはとても操作しやすかった。レクサスのリモートタッチと並んで、この手のコントローラーとしては最も使いやすい。高価な純正ナビを選ばなくても、iDriveが付いてくるところも良い。
ここがダメ
エンジン再始動時のショック
本文でも触れたように、全体の出来からすればささいなことだが、アイドリングストップからの再始動時に出るショックは、もう少し抑えたいところ。
BMWの最小モデルだが、「もう少し小さかったら」と思う人は少なくないはず。リアバンパーが出っ張っているので、バック時には要注意。オプションのリアビューカメラが欲しいところ。
総合評価
恐れ入りました
なんというか、ドイツ車の底力を感じてしまった今回の試乗。新しい116iはいままで乗ったBMWの中では「最もいい」と思えた。コンパクトなサイズ、後席に無理なく乗れるようになり、荷室もそこそこ広く、十分なパワーで、ガチッとしたボディによるFRらしい挙動を楽しめる。本文のようにエンジン・ミッションは申し分なく、ランフラットタイヤなのに乗り心地は硬くない(タイヤ交換する場合、再びランフラットを選ぶと高くつきそうだが)。そして元気に走りまわっても二桁を切らない燃費。恐れ入りました。
そういう基本的な「いいクルマ」感たっぷりでも、エコを邪険にしてはいない。ECO PROモードに切り替えれば、走りはグッとおとなしくなり、エアコンが制御され、アイドリングストップと相まって低燃費を実現することができる。ブレーキエネルギー回生システムも標準装備だ。136psの116iの場合、四六時中、元気に走りたい人には、パワー的にもたぶん不満があると思うが、少しでも燃費のことを考える人なら、ふだんは「意識的に」このモードにして走るだろう。というのは、エンジンを一度切ってしまえばノーマルモードに戻ってしまい、あくまで「意識的に」スイッチを操作しない限り、ECO PROモードにはならないから。このあたりの考え方がスマートだと思う。
 
ナビがない分、操作がシンプルだったこともあり、iDriveは使いやすかった。車両情報、取説などをここで簡単に見られることはメリットだ。ただせっかくの大画面なので、バックモニターはつけたいところ。ナビを付けなくてもリアビューカメラとパークディスタンスコントロールは10万円で付けられる。今後のクルマはナビなどオプションにしてしまう方がいいと思うから、ナビを標準装備としなかったことは逆に評価したい。最新PNDでも、スマホでも、気に入ったものを載せればいいのだ。その結果として車両価格は308万円~なのだから、言うことはない(ちなみにオプションのナビパッケージは27万円)。
となれば、これはもう買い、と言いたいところだが、スタイリングは先代同様、どうにも今ひとつ馴染めない。クルマというものは「カッコイイ」と思わないと欲しくなれないもの。カッコイイの価値は人それぞれだが、BMWと言えど量販車である以上は、多くの人にそう思われた方がいいだろう。万人がカッコイイと思うカタチになったら、それこそ大ヒットするはず。まあ、本文にもあるように単なる5ドアハッチではなく、コンパクトスポーツワゴンだと思えば、あんがい悪くないかも。
日本のコンパクトカーが二世代くらい古く見える
この10年、日本車がハイブリッドを中心としたエコ方向に振れまくっている間に、ドイツ車はひたすらガソリン車の基本性能を磨いていたようだ。ゴルフやポロにしても、この1シリーズにしても、コンパクトカーの実力がここまで凄くなってしまうと、日本車はしばらく追いつけないのではないか。ポロの7速DSG、1シリーズの8速ATなど、このクラスに載せるか?というようなものが平気で搭載されている。むろんこれは欧州ではいまだAT自体がプレミアムということかもしれないが、CVT中心の日本のコンパクトカーはなんだか二世代くらい古く見えてしまう。
ということで、購入したらこんなにいいクルマを日常的に使うことになるのだが、「エヴリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード」(by シェリル・クロウ)というわけにも行かないだろうし、毎日のお買い物にここまでのガッチリ感がいるのか、とも思う。短期間の試乗では明らかに日本車に勝ち目はないのだが、多くの人には単なる過剰性能かもしれない。もしかすると、もうちょっとダルな、そうタイで作られた日本車のようなクルマのほうが、多くの人の日常使いはふさわしいのかも。116i にはハイブリッドのような分かりやすい記号性もないし、そのキャラクターも少々玄人向け。アウディ車のようなオシャレさ、可愛らしさにも欠けている。長年乗ったあとの幸せ感は、経済性とあわせて考えると、どちらがいいのだろうか。
 
今年、COTY(カー・オブ・ザ・イヤー)の10ベストカーに入っている新型1シリーズだが、クルマ好きとしては一位にしたいものだ。日産リーフに代表される日本の未来的エコカーの対極でもあり、ボルボのようなハイテク安全装置もないが、走る、曲がる、止まる、燃費、パッケージング、価格に関して最もバランスがとれている。リーフ、プリウスα、フィットシャトル、デミオ、ミライースの日本車勢、パサート、メルセデスCクラス、プジョー508、ボルボS60/V60の中では、リーフとその対極にある1シリーズの争いになると思うのだが。今年COTYは東京モーターショーとタイアップしたので、選考結果は12月3日に発表される。

欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

デジタルデバイドを超えるもの(ありがとう、ジョブズ):編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 18th, 2011 · No Comments

▲最近あまり言われなくなったが、デジタルデバイドは確かにまだまだ存在している。実際、私のようなアラカン世代ともなると、おそらく半分以下の人しかネットやデジタルグッズの恩恵を被っていないだろう。うちのかみさんは、私の影響もあって、様々なデジタルグッズを使っており、TwitterやFacebookは私より積極的だし、何よりそれに割く時間がものすごく多くて、テレビや映画をあまり見なくなった。彼女は「最近のつまらないテレビを見たくもないと思う同世代は、デジタルグッズなしだといったい何をして楽しんでいるのだろう」とまで言う。
▲近所に住む彼女の同級生は、デジタル物は全くダメ。その旦那も同様。さすがに携帯メールくらいは使っているが、ネットもほとんど見ないらしい。親族は誰も彼女に使い方を教えないし、デジタル物は結構高額だから買えないとのこと。ということで彼女は今後、デジタル物を使うことはなく老いていくように思える。何かのきっかけで、彼女がデジタル物を使うようになることは、はたしてこの先果たしてあるのだろうか。
▲と考えたとき、いや案外あるかも、と思い当たることがある。それはタブレットと無線回線の普及が急速だからだ。うちのかみさんもPCは使うが、はっきりいってあまり得意ではない。仕事のために開くことはあるが、もっぱら使うのはiPhoneとiPadだ。私はアップル嫌いなのでこれらを全く使わないため、彼女に対しては完全にノーサポート。彼女はそれまでの知識に加え、ネットで多くの知人を得て、これらを使いこなしている。いや、使いこなしているとまではいえないようだが、少なくとも楽しめるレベルにある。まあ十分だろう。
▲しかし正直なところ、まだタブレット類もスマホも普通のおばさんにはかなりハードルが高い。とはいえかみさんを見ればわかるとおり、PCと比べたらこれはもう圧倒的に簡単だ。象徴的なのはキーボードが無いことだろう。パソコン利用の大きなハードルはキーボードとマウスだ。カーソルを動かし、ダブルクリックし、ローマ字入力して変換する、この一連の作業ができるようになるかが、パソコンの最大の難関だったといってもいい。クルマでいえば、クラッチとアクセルとギアだ。昔はこの三つを使えるようになるため免許取得に苦労したものだが、今はオートマだから苦も無く免許が取れる。しかしPCはいまだに難しい。いったん覚えればクルマもPCもとても便利になるのだが。
▲これがタブレットやスマホとなると直感的に触れるだけだ。入力にしても最近は手書きIMEが実用域に入っている。私はキーボードがあれば考える速度で入力できるが、フリック入力はそこまでは無理。そのためまるでキーボードの使えない老人になった気分でめげていた。といって今さら入力練習をするのも嫌。そこで手書きIMEを入れてみたら、これが結構使える。簡単な文章なら今や手書きの方が手っ取り早い。昔、PalmOSのPDAで特殊な手書き文字を覚えたものだが、今は日本語がそのまま手書き入力できる。つまりタッチパネルと手書きIMEがあれば、どんな老人だってタブレットやスマホ使いこなせる可能性がある。ウインドウズ8はPCでそれをやろうとしているのだろう。
▲またタブレットでやることは、基本的にすべてアプリにしてしまえば簡単だ。ブラウザで新聞サイトを読むより、新聞のアプリを入れて開いた方が簡単で見やすい。こうなると今後大手サイトはすべてアプリ化するしかないだろう。タブレットやスマホにそのアプリを入れれば、実際すぐに誰でもひとまず見られるし使える。デジタルデバイドなおばさんでもちょっと教えれば多分すぐに使いこなせるはずだ。
▲そしてもう一つは回線の問題。PCでネットを見ようと思うと、回線を確保し、プロバイダを契約し、ルータを置き、無線LANを設定するという大きなハードルがあったが、タブレットやスマホはそれが内蔵されている。テザリングができれば必要に応じてPCだってつなげられる。ワンアクションで、しかも無線でネットに繋がるのは、おばさんにも抵抗はないだろう。問題はまだ少し高めの回線料金だが、これはいずれだんだん下がっていくだろう。むろんトラフィック増の問題は今後解決しないといけないが。
▲つまりもうPCは死んだのだ。デジタルデバイドの解決にはPCはもはや何の力も持たない。今後はすべて、タブレットやスマホの世界になっていくだろう。その暁には、じいさんもばあさんもネットに繋がる。ウインドウズ、これまで長い間ありがとう。ビル・ゲイツ、ここまできたのはあなたのおかげ。ありがとう。でも、頭のいいあなたはもう自分の出る幕ではないと数年前にわかってしまったゆえ、とっとと引退したのだろう。そしてスティーヴ・ジョブス、本当にありがとう、ご苦労様。一足先にクラウドの世界へ旅立ったあなたのおかげで、私たちはここまできた。私はマックが嫌いだ。だけどあなたがいて本当によかった。
▲二人と同世代の私はもう少し生きながらえるつもりだ。PCジジイの私は今後、猫も杓子もタブレットばかり使いやがって、と悪態をつきながらのたれ死ぬしかないのかもしれない。だって手書き入力しかできないということは、隣のおばさんと同レベルになってしまったのだからw。その前にできるだけ自分のデータをクラウドに上げて、ジョブズのようにクラウドの中で生き続けるための準備をしよう。現世と来世はやがてクラウドの中で融合するかもしれない。私も旅立ちの準備の前に、まずはアップロードだ。
欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

自賠責が赤字。その原因の一つは私かもしれない:編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 18th, 2011 · No Comments

▲自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責が赤字ということで、今年(2011年)4月から保険料が引き上げられていることをご存じだろうか。自賠責がどう運営されているのか、なぜ赤字なのかが今ひとつはっきりしないが、いずれにしても事故での支払いが多いということに関しては間違いないようだ。私も昨年、この保険が大量に払われた事故に遭遇したので、報告しておきたい。ちょっと、なんだかな、と思う話だ。
▲まずその事故だが、四十絡みの女性が乗る自転車に、私のクルマがかすったというもの。事故状況だが、横断歩道で止まった私のクルマの前を横切った自転車の駐輪スタンドの後端に、少し動き出した私のクルマ前部がかすった(らしい)。女性は子供を自転車後部のチャイルドシートに乗せていた。クルマ側にはなんら衝撃は無く、そのまま通り過ぎるところだったが、自転車を止めて振り向いた女性がわめいているので、クルマを止めると、当たったと言う。むろん自転車は倒れてなどいないし、クルマを見ても当たった形跡がないので、そんなことはないというと、足が痛いと言い出した。当たり屋ではないかと疑ったくらいの強い語気に、それなら警察へ行こうと近所の交番へ。この時は特に痛がる様子もなかったのだが。
▲交番で事故処理班を呼んでもらい、現場検証したが、そこで私のクルマのバンパー下にごく小さな擦り跡があり、ここに接触したのだろうということに。そうなれば致し方ないので、こちらも下手に出ることにしたのだが、そうすると今度は後ろに乗っていた子供も体が痛いといっていると言いだした。さすがにこれは普通じゃないなと思ったが、警察とも話をして、一週間様子を見て人身事故にするかどうか決めるということでその日は別れた。翌日、お詫びとして菓子折を持って事故現場すぐの自宅に行くと、受け取らない。保険屋と話すから受け取れないという。今までいくつもの事故に対応してきたが、この時点でちょっとやっかいな人であると再確認した。
▲一週間過ぎたら警察から連絡があり、案の定、先方は人身事故扱いにしたいと言っているとのこと。うちの保険会社と相談したが、そうした人だったら保険を使った方がいいでしょうとのアドバイスもあり、その後の対応は保険会社に任せた。そして私には軽微な人身事故(ただし女性と子供の二人分)ということで行政処分点4点がつけられた。おかげで累積6点になってしまい、以前のコラムで書いたように講習出席の次第となったのである。ただし、いわゆる罰金はまったく来なかった。警察としてもごくごく軽微な事故という認識だったからだろう。
▲それからは保険会社からの報告書を読んでいただけなのだが、後ろに乗っていたの子供には半年後に治療費約30万円、賠償金約50万円が支払われた。女性の方はそれからさらに半年以上(事故から1年以上)治療に通い続け、治療費約120万円、賠償金約150万円が支払われた。あとで見たら自転車にも修理代として4万円弱が支払われていた(もちろん壊れてなどいないが)。保険会社によると、本人はまだまだ通院すると言ったそうだが、さすがに保険会社もこれ以上はということで、多めの賠償金で手を打ったそうだ。クルマがかすっただけで実に350万円ものお金が支払われたのである。
▲自賠責は任意保険に優先して一人あたり120万円まで支払われる。つまり子供の分は全額自賠責から、女性の分は120万円が自賠責から支払われ、残りの150万円ほどが任意保険からの支払われた。人身事故の場合、このようにまず自賠責が使われる仕組みである。つまり120万円までは、任意保険会社の自腹は痛まない。このため割に支払いが甘いとされるが、それを超えると示談を急ぐ傾向にあるようだ。これを知ると自賠責が赤字になるのは、今回のケースのようにどんどん支払われてることも原因の一つではないかと思えてきた。
▲一般的には加害者という立場になる私だが、このケース、さすがに素直にごめんなさいという気になれない。保険会社によればこのような支払い事例は少なくないようだ。この女性に関しても、初めての事故ではなく、過去にそれなりに経験があるように思われるという。ただそうしたデータを自賠責は持ってはいないようだ。任意保険の会社では、自社が支払った人のデータベースを持っているようだが、それでも他社のデータまで見ることまではできないようで、いわゆるブラックリストのようなものは、公には存在していないという。同じ会社で二度目の事故請求となれば、当然それなりの対応をするようだが。
▲いずれにしても自賠責が赤字になっている中で、今回のような支払い事例を見てしまうと、まじめに自賠責のお金を支払っているドライバーがバカを見ているような気がしてくる。また死亡最大3000万円、けが最大120万円の自賠責では賠償金が全額支払いきれないケースが多い(今回もそう)。であれば自賠責などもう撤廃して、民間の自動車保険に一本化し、加入を義務づける方が合理的ではないだろうか。保険会社も支払いが慎重になるだろう。もちろん保険に入らない人はより厳しく取り締まるべきで、警察にも意味のよくわからない交通取り締まりばかりでなく、こちらにも力を入れてもらいたいもの。
▲また、多大な労力をかけて警察が現場検証をしてくれるのだから、個々の事故に応じて過失責任を算定する仕組みと、それに対する賠償を明文化できないものだろうか。今回のケースであれば、この保険金支払いが何だかちょっと変だと言える第三者は、当日の現場検証をして書類を作った(それゆえ行政処分を下した)警察しかいないのだから。何百万円ものお金が動く話なのだから、民事不介入の一言で済ましていいのかとも思う。どれだけ安全に気を使って運転していても、事故は起きるときには起きてしまう。その時の備えを、個人はもちろん、制度としても見直す時が来ているのではないだろうか。
▲昨年(2010年)の無保険車(自賠責未加入車)摘発が過去10年で最多の5385件に上っているという。自賠責に入っていない人はものすごく多いようだ。また無保険車によって事故にあった被害者を救済するため、国が賠償金を加害者(無保険車運転者)に代わって立て替える制度があり、そうして支払われた立替金を加害者から回収できなかった額は458億円に上るという。この制度では自賠責とほぼ同額が被害者に支払われるが、その原資は自賠責保険料の一部とのこと。今回、もし私が無保険車であった場合、どのように支払われただろうか。被害者であることを声高に主張すれば、この制度でも支払われるのだろうか。クルマを取り巻く問題の一つがこんなところにもある。

欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報

デジタルデバイドを超えるもの(ありがとう、ジョブズ):編集長コラム 水野誠志朗\’sトーク

11月 16th, 2011 · No Comments

▲最近あまり言われなくなったが、デジタルデバイドは確かにまだまだ存在している。実際、私のようなアラカン世代ともなると、おそらく半分以下の人しかネットやデジタルグッズの恩恵を被っていないだろう。うちのかみさんは、私の影響もあって、様々なデジタルグッズを使っており、TwitterやFacebookは私より積極的だし、何よりそれに割く時間がものすごく多くて、テレビや映画をあまり見なくなった。彼女は「最近のつまらないテレビを見たくもないと思う同世代は、デジタルグッズなしだといったい何をして楽しんでいるのだろう」とまで言う。
▲近所に住む彼女の同級生は、デジタル物は全くダメ。その旦那も同様。さすがに携帯メールくらいは使っているが、ネットもほとんど見ないらしい。親族は誰も彼女に使い方を教えないし、デジタル物は結構高額だから買えないとのこと。ということで彼女は今後、デジタル物を使うことはなく老いていくように思える。何かのきっかけで、彼女がデジタル物を使うようになることは、はたしてこの先果たしてあるのだろうか。
▲と考えたとき、いや案外あるかも、と思い当たることがある。それはタブレットと無線回線の普及が急速だからだ。うちのかみさんもPCは使うが、はっきりいってあまり得意ではない。仕事のために開くことはあるが、もっぱら使うのはiPhoneとiPadだ。私はアップル嫌いなのでこれらを全く使わないため、彼女に対しては完全にノーサポート。彼女はそれまでの知識に加え、ネットで多くの知人を得て、これらを使いこなしている。いや、使いこなしているとまではいえないようだが、少なくとも楽しめるレベルにある。まあ十分だろう。
▲しかし正直なところ、まだタブレット類もスマホも普通のおばさんにはかなりハードルが高い。とはいえかみさんを見ればわかるとおり、PCと比べたらこれはもう圧倒的に簡単だ。象徴的なのはキーボードが無いことだろう。パソコン利用の大きなハードルはキーボードとマウスだ。カーソルを動かし、ダブルクリックし、ローマ字入力して変換する、この一連の作業ができるようになるかが、パソコンの最大の難関だったといってもいい。クルマでいえば、クラッチとアクセルとギアだ。昔はこの三つを使えるようになるため免許取得に苦労したものだが、今はオートマだから苦も無く免許が取れる。しかしPCはいまだに難しい。いったん覚えればクルマもPCもとても便利になるのだが。
▲これがタブレットやスマホとなると直感的に触れるだけだ。入力にしても最近は手書きIMEが実用域に入っている。私はキーボードがあれば考える速度で入力できるが、フリック入力はそこまでは無理。そのためまるでキーボードの使えない老人になった気分でめげていた。といって今さら入力練習をするのも嫌。そこで手書きIMEを入れてみたら、これが結構使える。簡単な文章なら今や手書きの方が手っ取り早い。昔、PalmOSのPDAで特殊な手書き文字を覚えたものだが、今は日本語がそのまま手書き入力できる。つまりタッチパネルと手書きIMEがあれば、どんな老人だってタブレットやスマホ使いこなせる可能性がある。ウインドウズ8はPCでそれをやろうとしているのだろう。
▲またタブレットでやることは、基本的にすべてアプリにしてしまえば簡単だ。ブラウザで新聞サイトを読むより、新聞のアプリを入れて開いた方が簡単で見やすい。こうなると今後大手サイトはすべてアプリ化するしかないだろう。タブレットやスマホにそのアプリを入れれば、実際すぐに誰でもひとまず見られるし使える。デジタルデバイドなおばさんでもちょっと教えれば多分すぐに使いこなせるはずだ。
▲そしてもう一つは回線の問題。PCでネットを見ようと思うと、回線を確保し、プロバイダを契約し、ルータを置き、無線LANを設定するという大きなハードルがあったが、タブレットやスマホはそれが内蔵されている。テザリングができれば必要に応じてPCだってつなげられる。ワンアクションで、しかも無線でネットに繋がるのは、おばさんにも抵抗はないだろう。問題はまだ少し高めの回線料金だが、これはいずれだんだん下がっていくだろう。むろんトラフィック増の問題は今後解決しないといけないが。
▲つまりもうPCは死んだのだ。デジタルデバイドの解決にはPCはもはや何の力も持たない。今後はすべて、タブレットやスマホの世界になっていくだろう。その暁には、じいさんもばあさんもネットに繋がる。ウインドウズ、これまで長い間ありがとう。ビル・ゲイツ、ここまできたのはあなたのおかげ。ありがとう。でも、頭のいいあなたはもう自分の出る幕ではないと数年前にわかってしまったゆえ、とっとと引退したのだろう。そしてスティーヴ・ジョブス、本当にありがとう、ご苦労様。一足先にクラウドの世界へ旅立ったあなたのおかげで、私たちはここまできた。私はマックが嫌いだ。だけどあなたがいて本当によかった。
▲二人と同世代の私はもう少し生きながらえるつもりだ。PCジジイの私は今後、猫も杓子もタブレットばかり使いやがって、と悪態をつきながらのたれ死ぬしかないのかもしれない。だって手書き入力しかできないということは、隣のおばさんと同レベルになってしまったのだからw。その前にできるだけ自分のデータをクラウドに上げて、ジョブズのようにクラウドの中で生き続けるための準備をしよう。現世と来世はやがてクラウドの中で融合するかもしれない。私も旅立ちの準備の前に、まずはアップロードだ。
欧州車情報69.comは、欧州の自動車情報・新車情報をお届けします。
||||

[Read more →]

Tags: 欧州車情報